梵字の千社札縁起
伊豆諸島の起源を顕した三宅記(鎌倉時代末期頃)には、七日七夜をかけて十の島々を焼出し、一番の島を初島と名付けタミの木を植え…、二番の島は島々の中程に焼出し、神達集まり賜て詮議有りし島なれば神集(津)島と名付け…と記されています。
神津島の総鎮守の物忌奈命神社と阿波命神社、そして聖地天上山の不動明王を始め神津島百観音札所〈庵屋(坂東33)、観音浦(西国33)、秩父山(秩父34)〉霊場等々、これら社寺縁の梵字を御神木のタミの木に刻した千社札は、文字自体に霊力があるとして崇められてきました。
五穀豊穣、豊漁を島を挙げて祈る神様詣り(願掛け、願果たし)や二十五日様神事、菩提寺濤響寺への毎朝夕の墓参りは島民の日課となっています。
海に囲まれ限られた厳しい自然条件の下、古来より神仏への加護を拠り所としてきた島人の素朴な心を永く伝えていきたいと願うものです。
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